ホウオウボクの花に見とれ文化財庭園を忘れがちでしたが 、よく見ると一角に赤い花を咲かせているバラが細々と咲いています 。
バラは日本産、中国産、ヨーロッパ産など数えきれないほどの種類があるのはご存じと思います。日本産ではノイバラ、テリハノイバラ、ハマナスが代表的な種ですがココ中村家には中国原産のバラがあるのです 。
それは「コウシンバラ=庚申薔薇」中国名で「長春花、月季花」と呼ばれるものです。「庚申」とは「かのえさる」と読み、60日に一遍回ってくる季節用語、ようするにちょくちょく咲く(四季咲き)を意味して、花の咲くのが長い(長春)、月ごとに咲く(月季)からこう呼んでいます 。
もちろん中国中部ー貴州、湖北、四川省ー原産で、日本には1200年頃、(藤原定家ー明月記ー1213年には記載されている)渡来したようです 。その後も「本草綱目啓蒙」、「花壇地錦抄」にも載っています。
ごちゃごちゃと書きましたが、ようするに四季咲きのバラの基本種で、これから世界の品種が作られたと云うことでしょう 。