中村家で確認できる百数十種の植物について解説していきます。
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カテゴリ分別ができておらず見づらい状態状態での公開となっております。
今後、見やすくなるまでもうしばらくお時間頂戴できますようお願い致します。
国指定重要文化財
中村家でもお馴染の彼岸に咲くヒガンバナ(曼珠沙華)が園路のあちらこちらで咲きました 。
この花は内地でも良く見る植物ですが、生まれ(原産)は中国揚子江(長江下流部)で稲作とともに我が国に渡来したと考えられます 。
その理由は自然分布(海流など)で広まったのではなく、人為分布(梱包材や救荒植物)として九州に持ち込まれ、その後沖縄に入ったようです 。
浄土宗の三途の川の向こう側を波羅密多(到彼岸)と云い、あたり一面綺麗な花が咲くことからこの花をヒガンバナ(彼岸花)と云ったことからなずけたようです 。
ヒガンバナの葉は適度の湿りがあり、極度の乾燥から荷物を守ることからミカン輸送の梱包材に使っていたようです。また毒草であるため何度も水で晒して救荒植物としたようです 。
沖縄では「ホージビラ」「シビリンチャー」と云い、球根で増え、種が出来ない3倍体が多く 、「花のときは葉がなく、葉のときは花がない」ことからこの名があります。
中国では腫れもの、湿布剤、殺虫剤、殺鼠剤、糊剤、粘着剤などに使います 。
花言葉は「悲しい思い出」 。
沖縄ではまだまだ暑い日が続きますが 、反面花や実が綺麗に咲いています 。
中村家の目と鼻の先にこんなつる植物が植えてあります 。良く見るとブドウ科ですが、小さい実がいっぱい成っています。リュウキュウガネブ(琉球紫葛)です 。
琉球は沖縄、ガネブ(紫葛)は九州(特に天草の方言)でヤマブドウ。6-8月に黄緑色の小さな花が咲き、秋に濃紫色の実が成ります 。
植物学的にはエビズルの仲間で、奄美大島より南、八重山諸島の山に生育しているつる植物です 。
果皮には高濃度のアントシアニンが含まれているといわれ 、渡名喜島では村おこしにジャム、ジュース、ワインなどの加工品を作る原料として取り組んでいます。また本島の読谷村でもこのワインを作っています 。
このワイン、味は山梨ワインやフランスワインに劣らない味だそうです 。一度味わってはどうでしょうカ?
沖縄には沢山のミカン類が有ります(シキカン、クネンボ、タンカンなど)。なかでもシィクァーサー(ヒラミレモン)は最近知名度がかなり上がってきたようです 。
中村家にもこのヒラミレモンの実が成り始めました 。もともと恩納村以北の山中に自生しているもので、台湾にも生育しています。沖縄在来の柑橘です 。
シィクァーサーとは「シィ」が酸、「クァーサー」が食わせるものからこの名があります 。これは芭蕉布を織り上げる時にこの果汁で洗浄し柔らかくしたことから、由来しています 。
クガニ、カーアチ(カーブチ)、カネブトなどはシィクァーサーを原種として品種改良して作出したものです 。
沖縄では刺身や焼き魚に添えたり、酢のもの、ポン酢として利用しています。また泡盛に加えると美味しくいただけます 。
果実に含まれる成分としてビタミンC,ビタミンB1,クエン酸、カロチン、各種ミネラル、ノビチレンが多く含まれています。ようするに疲労回復、肥満防止、美肌効果、動脈硬化、高血圧予防、血糖値上昇の抑制など様々な効能があるようです 。
最近花やさんで見かけることが多くなりました 。此花「ストレリチア」と云います 。中村家庭園には主屋(一番座)東の斜面に咲いています 。
原産地は南アフリカ東ケープ州とナタール州のインド洋沿岸、乾燥地帯に見られます 。
バンクス卿が1773年イギリスに照会したのが始まりで、我が国には明治5年(1872年)に渡来しています 。ロサンゼルス(カルフォルニア州)の市花です 。
ストレリチアは英名で「バード オブ パラダイス」と云い、それを直訳して「極楽鳥花」となずけたのが始まりです 。
耐寒性もあり内地でも冬に室内で育てれば十分育ちます 。試してみてはいかがでしょうか?
花言葉は寛容、恋の伊達物、気取った恋、輝かしい未来 です 。
中村家にはこんな植物が有るんです 。それはグァバ、あるいはバンジロウ、沖縄ではバンスルー。以前はジュースしか製品化されていませんでしたが、最近は果物として出回っているようです 。
もともとカリブ海沿岸、中央アメリカ、南アメリカ北部に自生する植物で 、沖縄には17世紀、琉球王朝時代に台湾より渡来したと云われています 。
グァバとはカリブ海周辺のアラワク語のグァバの木から由来したと云われています。
また沖縄名のバンスルーとは中国語の蕃石榴をファンシューリュウと読むことからバンスルーになったようです。
正式名はバンジロウです。鎌倉時代の武将、伴次郎常善(とものじろうつねよし)が壇ノ浦の戦いの後、琉球に落ち延び、時の王様、瞬天に助力したことで、グァバをバンシロウ(伴次郎)ろなずけたことに由来します。
果実は食用になりますが、中の種を食べ過ぎると下痢をします。葉は健康茶(グァバ茶)として使われています。
主な効能は風邪、がん、高血圧、脳梗塞などの予防に期待できるそうです 。
花言葉は「強健」です 。
沖縄の名物に「氷ぜんざい」と云う食べ物があります 。中には白玉が入っていますが、今日は食べ物ではなく、植物のお話!
文化財庭園には大きなホルトノキが有ります。北東の角小さな灯篭の上にそびえている樹です 。その樹に白い花を咲かせたつる植物が付いています 。これが今日お話しする「シラタマカズラ」です 。
紀伊半島から沖縄、台湾に分布するつる性の低木で、付着根で樹上や岩に着きます 。1月から4月頃に白いまあるい実が付きますが 、この実を白玉にみたててこの名前の由来となりました 。
別名ワラベナカセとかイワズタイと云い、沖縄では「ワラビナケーサ」です。子供が山へ「しばかり」に行った時、このつるで束ねようとしたとき、すぐに切れてしまうことから「童泣かせ」と云っています 。名前が白玉なのですが「ぼそぼそ」として美味しくありません。食べないで下さい 。