デモルホセカ

お土産屋の店頭には季節に応じて色々な植物が飾ってあります。内地では花の少ない季節ですが、沖縄では色々な(熱帯系の)花を見ることができます 。

今日はアフリカ原産のキク科で「デモルホセカ」(アフリカキンセンカ=阿弗利加金盞花)という植物をご紹介しましょう 。

1年草で色が豊富であることから人気があり、内地でも温室や室内ではよく咲く丈夫な草花です。(寒さに少々弱い)

ただし、このデモルホセカ属と近似のオステオスペルムム属は非常に似て見ただけではよく分からなく、前属が1年草、後属が多年草、花の構造がいささか違うなどの差があります。

とりあえずこの花を観賞してください。

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トウワタ

沖縄では野山で良く見る外来の植物 ですが、中村家の庭園(西側のマツの近く)でも見ることができます 。赤と黄色の花が固まって咲く植物で、「トウワタ」と言います。唐綿と書きますが沖縄ではセーヤンブー(西洋布)、風の又三郎のなかでクサワタ(草綿)言ってるものです 。

西インド諸島、キュラソー島原産で江戸末期1842年(天保13年)に渡来しました。

これは毒草(強心作用がある)で薬用植物、民間薬として全草が利尿、扁桃炎、花が止血、根が催吐薬、殺虫剤などに利用され、中国では茎から繊維をとり織物にします 。

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ウコンラッパバナ

今日は変わった花をご紹介します。

駐車場奥につる性の樹木(藤本)があります 。黄色い20cm程の花で、見る人は大抵驚きますヨ !

沖縄では公園に多く、パーゴラ、フェンスに仕立ててあります。個人の庭では石垣やブロック塀に這わせてあります 。

名前は「ウコンラッパバナ」欝金喇叭花、ゴールデンカップなっどと呼ばれています。ナス科でメキシコなどの中南米原産、戦後ハワイから導入されたものです 。

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トウオガタマ

園路を歩いているとどこからともなく芳しい匂い(バナナ様)がしてきました。あたりを見渡しますと !ありました!葉の陰に隠れ3輪の白い花が下向きに、そっと咲いていました。

たしか昨年も咲いた覚えがありました。たまたま写真の好きな人が見学に訪れ、この花を教えてあげると必死に写真を撮り、名前をメモ帳に書いていました 。

花の名前はトウオガタマあるいはカラタネオガタマと言いモクレン科の仲間です 。中国南部、九江、マカオ原産の小高木、江戸時代中期には日本に渡来したと言われています。

花はお茶(花茶)や髪飾りに、薬(生薬)含笑(中国では)と云い、花を風乾又は低温加熱で乾燥したものを消化不良、腹部膨満、鼻炎などに服用します 。

中国 李綱の詩ー含笑花の賦ーに

「南方花木の美なるもの含笑に若くはなし」と詩っています 。

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チクシキヌラン

3月に入って急にあちらこちらで花が咲き始めました 。

普段でしたら見逃してしまうほどの小さな植物を見つけました 。

草丈2~3cm、白い花が2~3輪、葉はちじれてよく見えませんでした。思い出した名前は現物と違っていました。ようやく探し出したのがこの名前でした。

「チクシキヌラン」、沖縄にはキヌランとチクシキヌランがあり、唇弁(唇状にとしゅつした花弁)の違いで見分けるのですが、その唇弁が2裂せず舌状になる(難しい説明はやめときます)ことから「チクシキヌラン」にたどりつきました 。

チクシとは台湾の地名だそうです 。

中村家住宅の畜舎裏、日本庭園左、園路の芝生の中に数本あります 。Cimg1487

ヤマドリヤシ

ヤシの第2弾としましてこんなものもあります 。

南国のイメージにするのにはヤシが欠かせませんが、強風にも耐えられる力があります。それはヤシの幹には強靭な繊維が何本もあり、「しなる」けれども折れないということです。どれも同じような姿形をしていますが種類によって花の形、色、実の色、形、樹形が違いなれるとすぐ分かります。ただ実と花が同時期に見られるという面白い性質があります 。

では

ヤマドリヤシ(アレカヤシ) 幹が一見竹の節のように見え、緑色の葉が付くことからコガネタケヤシとも呼びます。池の淵に生えています。マダガスカル島原産

ヤエヤマヤシ 樹高が高くなり、一見してすぐわかります。熱帯ヤシでは唯一沖縄産(石垣島、西表島)のヤシです。

トックリヤシ 幹は下の方が太く、上が細いとっくり状になることからトックリヤシといい、成長が遅く樹高が人の背になるまで10数年かかるといわれています。西インド洋モーリシャス・レユニオン島原産です。

トックリヤシモドキ 幼樹のときはトックリ状になるが大きくなると円柱状、樹高10m程になる。葉の付け根がトックリヤシより膨らむ。

写真は左からヤマドリヤシ、ヤエヤマヤシ、トックリヤシ、トックリヤシモドキの順でお見せします 。Photo Photo_4 Photo_3 Photo_2

シンノウヤシ、カンノンチク、シュロチク、テーブルヤシ、ビロウ

今日は特異な樹形をしたヤシについてお目にかけます 。

シュロは内地でもよく見るヤシですが中村家では熱帯のヤシが10種類ほど植えてあります 。

クロキに隠れてよく見あげないとかなり高いもの、確認ができないものもあり通り過ぎてしまうことがあります 。

文化財庭園に植えてあるもの、鉢ものなどご紹介しましょう 。

写真の左からシンノウヤシ、カンノンチク、シュロチク、テーブルヤシ これらは鉢植えです。

5番目はビロウで地下植えです。

シンノウヤシはアッサム、ミャンマー、中国南部原産で文化財入り口右にあります。

カンノンチクは文化財中庭の鉢に植えてあり、高倉よりにあります。

シュロチクもカンノンチクの隣に鉢植えであります。

テーブルヤシはシュロチクの左隣にあります。

ビロウは沖縄名でクバといい、日本庭園右、消防小屋の後ろと駐車場トイレ側にあります。Photo Photo_5 Photo_4 Photo_3 Photo_2

コチョウラン、ブラッシア、ヘッカラン、ナンゴクネジバナ

中村家にある洋ラン第2弾としましてこんな花をお見せします。着生ラン(樹の幹に付くラン)と地生ラン(地面に生えるラン)があります 。

着生ラン

コチョウラン: ファレノプシス類でヒマラヤ、中国南部、フィリピンからオーストラリアに分布する私たちには馴染のランです。

ブラッシア: 中央アメリカから南アメリカに広く分布するもので、花弁がとんがって斑がはいる一見奇妙な形をしています。

ヘッカラン: シンビジュウムの仲間でマレーシア、スマトラ、アッサム、ヒマラヤ、九州南部に分布して九州大隅半島辺塚で生育していたのでこの名がある。

地生ラン

ナンゴクネジバナ: ネジバナは古くから内地にもあり、「もじずり」とよばれていました。日本からオーストラリアに分布していますが沖縄のものは多少大型のものをこう呼んでいます 。

写真左からコチョウラン、ブラッシア、ヘッカラン、ナンゴクネジバナです。 Photo Photo_2 3 Photo_3

ゴモジュ

白い小さな花が微かな匂いとともに風に乗って漂ってきます 。文化財庭園に人目を忍んで咲いています 。

ゴモジュという低木で別名コウルメ、宮殿の入り口に植えてあったので「御門樹」、小枝に褐色の毛があるので「五毛樹」、葉を揉むとゴマの香りがするので「胡麻樹」、グルム(沖縄の方言名)からなどこの名があります 。

奄美諸島から台湾に分布して古くから栽培(生垣、盆栽など)され、親しみのある木です 。

枝は強靭で牛追いの鞭にしたり、コマを作ったりします。Cimg1403